ここ最近、温泉の美肌の効果とモンモリロナイトについて何回かお話してきました。
温泉とモンモリロナイトの成り立ちがちょっと似ているかも?
温泉、海、ミネラル、モンモリロナイト。複雑に絡み合う関係とは?
という話や
美肌の成分代表のメタケイ酸がモンモリロナイトのケイ素と近いので関係があるかも…
温泉に豊富に含まれるとお肌をすべすべにするメタケイ酸とは?
などという話も。
また、お肌に良い泉質代表はコレですというお話もありました。
おすすめの肌をすべすべにしてくれる温泉の泉質3選とは?
今回はお肌に良い泉質代表以外の泉質のお話。
それ以外の泉質にもお肌がキレイになる要素が含まれています。
温泉に入る前は泉質をチェックして、「お肌にこんな効果があるんだ!」と想像を膨らまし、美肌を目指しましょう。
Contents
◆塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉はお肌にどんな効果がある?
まずは前回のオサライから。
リンクの時にご紹介した泉質は
「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」の3つでした。
塩化物泉はお塩の文字通り飲むとしょっぱいお塩の成分が入った温泉です。
塩化物泉に入るとお塩の成分がお肌の表面に残ってくれて、しっとり感を持続させる役割をしてくれます。
炭酸水素塩泉は以前紹介したアルカリ性の温泉
日本三大美肌の湯の共通点、アルカリ性温泉の効能、効果とは?
と似ていて、お肌の余分な皮脂や古くなった角質を落としやすくしてくれます。
湯上りはとってもスベスベになるのが特徴です。
なめるとちょっと苦い硫酸塩泉は種類によってコラーゲンの生成をサポートしたり、かゆみを抑えてくれることもあるそうです。
ではそれ以外の泉質はお肌にどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか?
◆効果が一番マイルドな単純温泉はお肌にどんな効果がある?
単純温泉は温泉1㎏の中に成分(溶存成分)が1000㎎未満で、湧出時の温度が25度以上の温泉のことを指します。
pH7.5〜8.4までを弱アルカリ性単純温泉、8.5以上をアルカリ性単純泉としています。
アルカリ性の単純温泉は肌触りがやさしく、マイルドです。
トロトロとしていることが多く、湯上りはツルツルスベスベなお肌に導いてくれます。
◆入浴するとプチプチ気持ちいい二酸化炭素泉のお肌への効果は?
二酸化炭素泉は温泉1㎏の中に遊離炭酸(二酸化炭素)が1000㎎以上入っている温泉を指します。「炭酸泉」とも呼ばれ、温泉に入るとプチプチとお肌にくっついてくる感覚を味わえます。
炭酸のプチプチとした刺激が血行を促進し、血のめぐりが良くなることにより滞りがちなリンパの流れをよくします。
リンパの流れが良くなるとデトックス効果もあり、お肌も生き生きとした元気な方向へ向かうことでしょう。
◆湯上りまで体がポカポカになる含鉄泉のお肌への効果は?
含鉄泉は温泉1㎏の中に総鉄イオンが20mg以上入っている温泉のことです。
大きく分けて含鉄(II)-炭酸水素塩泉と含鉄(II)-硫酸塩泉に分かれます。
鉄分が熱を伝えると言われ、含鉄泉の体の温まり方は格別です。
芯から体が温まることにより、血液やリンパの流れをよくする効果があります。
また、文字通り鉄を多く含むため飲泉をすると鉄が不足して起こる貧血に効果があります。
◆酸性泉は殺菌力があるのである皮膚疾患に効果がある?
酸性泉は温泉1㎏の中に水素イオンが1mg以上入っている温泉のことです。
水素イオンが含まれているとpHが6未満で酸性になるのでこの名がつけられました。
ヨーロッパなどではほとんど見られない泉質ですが、日本では各地で入ることができるレアな温泉です。
酸性はは高い殺菌効果があるため、適応症にはアトピーなど慢性皮膚病が挙げられています。
また、お肌の引き締め効果やピーリングの効果があると言われています。
酸性の度合いが強いとピリピリと刺激を感じることも少なくなく、湯上りはしっかりとお湯を流した方がよさそうです。
◆ゆで卵のような独特のにおいが特徴の硫黄泉のお肌への効能は?
硫黄泉は温泉1㎏の中に総硫黄が2mg以上入っている温泉のことです。硫黄型と硫化水素型に分類されます。
あの、「温泉にきたな~」と思わせる卵の腐ったような特徴的な臭いは硫化水素型のものです。
アルカリ性泉や炭酸水素塩泉などの似た効果でお肌を柔らかく、表面の古くなった皮脂を落とす効果があるので、角化症や慢性湿疹などに効果があります。
また、体の血液の循環がよくなるので、新陳代謝の促進にもちからを発揮します。
◆安心どころか様々な適応症がある放射能泉はお肌にも効果が?
放射能泉は温泉1㎏の中にラドンが3ナノキュリー以上入っている温泉のことです。
文字通り放射能を含んだ温泉で「ラドン温泉」や「ラジウム温泉」などと呼ばれます。
放射能と聞くと怖いイメージがありますが、ラドンは常温でも気体になってどんどん空気に散っていくので心配はありません。
痛風や慢性胆のう症など他の泉質にはない適応症があるのが放射能泉で、入浴はもとより吸入からも効果を得ることが出来ます。
自律神経を整えてくれる効果もあることから、体の内側からお肌によい効果を与えてくれそうです。
以上が泉質によるお肌への効果のまとめでした。
どの温泉も何かしらはお肌へのうれしい効果がありそうですね。
泉質をよく見極めて美肌への道を進んでいきたいものです。
参考文献:石井宏子「温泉ビューティ―温泉美容力の活用法」グリーンキャット(2007)