「モンモリロナイトを扱って40年。粘土科学研究所が綴る【モンモリロナイトラボ】」と銘打ってこのページの記事を書いています。
歯磨きの話やお肌の話もしますが、メインはやっぱりモンモリロナイトのお話。
今回はモンモリロナイトのちからの話。
汚れを落とし、うるおいを届け、お肌を守るモンモリロナイトには浸透というちからも。
実験を通してモンモリロナイトに浸透というちからが本当にあるのか?
そんなお話。
◆クレイパックや洗顔に使われるモンモリロナイトとはどんなもの?
「浸透」というちからのお話に入る前にちょっとだけモンモリロナイトの他のちからについてのお話も。
モンモリロナイトは粘土の一種ですごーく細かい鉱物、つまり石です。
この石がちょっと変わった結晶になっていて…
その結晶に油や水、その他汚れなどいろいろなものをくるみこむという特性があります。
色々なものをくるみこんでしまうので汚れを「落とす」ことができるわけです。
それを利用して、全く泡が立たないのにお口の中の汚れを落とす「モンモリロナイトと銀と水の歯みがき」などがあります。
また、お水も油もくるみこむのでお水と油を混ぜることもできてしまいます。
なので乳化剤を全く使わずにハンドクリームを作るよ~というワークショップをやったりします。
(水と油を混ぜるとクリームになるのです)
→ ハンドクリーム作りのワークショップレポ
要するに洗浄と乳化ができるということ。
洗浄と乳化と言えば!前回書いたこのお話。
→ 水と油を混ぜる界面活性剤の油汚れを落とす仕組みとは?
界面活性剤と同じ働きがモンモリロナイトにも…?
今回は「浸透」までモンモリロナイトでできてしまうのか?を実験してみましょう。
◆【実験】モンモリロナイトにも界面活性剤のような浸透力が?
ビーカーを3つ、そこに「水道水のみ」「台所洗剤を入れたもの」「モンモリロナイト水」を用意します。
そこに毛糸を浮かべます。
すると…
真ん中の台所洗剤を入れたビーカーは毛糸がスルスルと沈んでしまいます。
これは台所洗剤に入っている界面活性剤の浸透という働きのおかげ。この働きは衣服を洗うのに洗剤が浸透しやすくするために使われています。
対してモンモリロナイト水の方はどうでしょう?
しばらく経っても水道水と変わりません。
もうしばらく様子を見てみます。
15分後。
見てみるとモンモリロナイト水の方も毛糸が沈みはじめました!
どうやら界面活性剤と比べると効果は弱いものの、モンモリロナイトにも浸透させてくれるちからがあるようです。
◆まだまだ眠っていそうなモンモリロナイトクレイのちから
モンモリロナイトには汚れを落とすちから、お水と油を混ぜるちからがあります。
そして今回の実験ではモンモリロナイトのいろいろあるちからの一つ、浸透の実験でした。
界面活性剤の働きとモンモリロナイトの働きは似ているとも言えなくない結果でした。
界面活性剤は刺激があることもあり、なるべくなら少なくしたいもの。
そこでモンモリロナイトがその変わりになることができるのでは?
今回の実験の結果はそんなことを思わせてくれるものでした。
しかし、モンモリロナイトクレイは自然の大地の恵みのもの。
どうしてもちからが安定しなかったり、弱い場合もあります。
そんなときでもモンモリロナイトのちからを信じてじっくりと付き合って最大限に特徴を出せるように…そのための工夫は惜しみません。
その工夫や試行錯誤の結果できたのがKURUMUシリーズです。